【高校2年】世界史の質問
地質年代・史的年代・考古年代の違いってなんですか?
教科書に地質年代や史的年代、考古年代など聞きなれない言葉がでてきました。これらはどのような意味でしょうか?
時代を区分する学問の違いです。
地質年代や史的年代は、時代を区分するために定められた年代です。
地質年代は、地質学的観点から。史的年代は、文字で書かれた”文献があるかないか。考古年代は遺跡や遺物で時代を分けます。[地質年代の解説]

いったいどういうことだ…。ぜんぜん分らない…。

確かに分かりにくいね。
けど表を見ていけばすぐに理解できるはず!
表で確認してみよう
真ん中の3つの年代に注目。
それぞれの年代が「世」や「時代」で区分されていることを確認してください。
実年代 (年前) | 地質年代 | 史的年代 | 考古年代 | 人類 |
---|---|---|---|---|
500万年前 | 更新世 | 先史時代 | 旧石器時代 (打製石器を使用) | 猿人(アウストラロピテクスなど) |
180万年前 | 原人(北京原人など) | |||
20万年前 | 旧人(ネアンデルタール人など) | |||
6万年前 | 新人(クロマニョン人など) | |||
1万年前 | 完新世 | 中石器時代 (細石器を使用) ↓ 新石器時代 (磨製石器を使用) | ||
4000年 | 青銅器時代 | |||
3000年 | 歴史時代 | 鉄器時代 |

例えば、地質年代は更新世と完新世に分かれているね。
ここでは、分かりやすいように原史時代を省いています。中石器時代は過渡期にあたるため、矢印で表現しました。
それぞれの特徴と解説
では、次にそれぞれがどのように分けられているのか確認していきましょう。
地質年代
地質年代は、地質学的観点から、更新世や完新世などに分けられる年代です。[地質年代の解説]

更新世は寒い時代。完新世は今の僕たちが住む暖かい時代。これらを地質から調査して、時代分けしとこうか~っていうのが地質年代なんだ。
史的年代
史的年代とは、文字で書かれた”文献があるかないか”で、先史時代・原史時代・歴史時代で分けられる年代です。[史的年代の解説]
考古年代
考古年代とは、考古学的観点から、石器時代や鉄器時代に分けられる年代です。[考古年代の解説]

じゃあ、考古年代は遺跡からでた石器の種類で時代分けをしているってことか…!!
歴史くん鋭い。正解です。
例えばこんな問題がでるかも
これらを理解して実際に問題を解いてみましょう。
問1)旧石器時代とは、打製石器(旧石器)だけを使用した時代で、【 x 】に相当する。 新石器時代とは、磨製石器(新石器)が使用されるようになった時代で、【 y 】に相当する。
【 x 】と【 y 】に該当する言葉を答えよ。
答え:xは、更新世。yは完新世。

もし分からなかったら、もう一度表をじっくり見てみてね。
なぜいろいろな学問で同じ時代を見るのか
上に記したように、それぞれの違いはどのような学問で時代を区分するのかが分かりましたね。では、なぜそもそもこんな面倒なことをするのでしょうか?
それは、文献資料のない歴史以前の時代、つまり先史時代は、遺跡や遺物(考古学)、または地層(地質学)に残された手がかりからしか過去の様子を探ることができないからです。学者たちは様々な学問から過去を見ることによって、その詳細を解き明かす努力をしているわけです。
それでは本日はここまで。これからも「テストには出ないけどちょっと気になること」を解説していきますね。
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