業務用音響ブランドのタスカム(TASCAMA)から販売されているリニアPCMレコーダー『DR-40』。
巷で流行っているASMR、立体音響、バイノーラル音声を録音することも可能で、Youtuberのはとむぎ(hatomugi ASMR)さんも使用している機材ですね。
偶然にも筆者も所有しているので、今回はそのレビューを書いていこうと思います。
TASCAM DR-40の概要とレビュー
Amazon:TASCAM リニアPCMレコーダー DR-40VER2-J
音楽練習、コンサートに加え野鳥や電車の走行音、更に近年では動画用の音声など、高音質ステレオ録音を必要とするシチュエーションで使用できるリニアPCMレコーダー。
A-B方式とX-Y方式の切替が可能な単一指向性ステレオコンデンサーマイクを搭載しています。
TASCAM DR-40のスペック
スペックは以下の通り
ファイルフォーマット | WAV、BWF、MP3 |
---|---|
サンプリング周波数 | 44.1k / 48k / 96k Hz |
内蔵マイク | 単一指向性、ステレオA-BポジションとX-Yポジションを切り換え可能 |
EXT MIC / LINE IN | XLR-3-31(1:GND,2:HOT,3:COLD)、 6.3mm(1/4″)TRS標準ジャック(T:HOT,R:COLD,S:GND) |
PHONES / LINE OUT | 3.5mm(1/8″)ステレオミニジャック、アンバランス |
周波数特性 | 20Hz~20kHz +1dB/-3dB(Fs 44.1kHz、EXT IN→LINE OUT、JEITA) 20Hz~22kHz +1dB/-3dB(Fs 48kHz、EXT IN→LINE OUT、JEITA) 20Hz~40kHz +1dB/-3dB(Fs 96kHz、EXT IN→LINE OUT、JEITA) |
S / N比 | 92dB以上(Fs 44.1k / 48k / 96k Hz、EXT IN→LINE OUT、JEITA) |
本体の内容

内容は非常にシンプルです。
箱を開けると、DR-40本体。データの移行、またはバスパワーで駆動させるためUSBケーブル。そして説明書の3点がでてきます。(チルトフットもありましたがなくしました…)
背面には、モノラル内臓スピーカー、三脚またはチルトフット取付用の穴、電池ボックスがあり、最初からマンガン電池×3が付属していました。

左側面には、SDカードスロットとUSB端子があり、4GBのmicroSDカードと変換アダプターは付属品でした。
右側面には、モニター用のPHONE端子、EXT INスイッチ、HOLDスイッチ、音量ボタン。そして、下部には、EXT MIC/LINE IN L/R端子(XLER/TRS)、REMOTE端子があります。
商品の梱包品をまとめると以下の通り
- DR-40本体
- USBケーブル
- microsd4GB
- チルトフット
- 乾電池×3
- 取扱説明書
A-B方式とX-Y方式の切替が可能

DR-40は、A-B方式/X-Y方式の録音に対応しています。
高度なマイキングにより、広がりのあるステレオ録音や、左右のマイクの位相差を抑えた中抜けしにくい録音が可能です。
集音性が欲しいならX-Y方式、ASMRや立体音響感のある音を録音したいならA-B方式が適切です。切り替えは手で動かすのみです。広げたり、閉じたりすると「マイク方向を変更しますか?」というメッセージがでるので、それに従ってください。
豊富な設定方法と録音方法

録音設定では、WAVとBEF(16bit、24bit)、MP3(32k~320k)などの録音形式が選べたり、サンプルレートが44.1k~96kまで選択することができます。
この数値の意味が分からないという方は、
- WAV:16bit(もしくは、24bit)
- サンプルレート:44.1
にしておけば、とりあえず間違いはないと思います。
録音方法に関しては非常に簡単で、RECORDボタンを2回押すのみです。以下の記事でも簡単に説明しています。
別売りのウィンドスクリーンは必要


「画面が隠れる」、「高い(今はまた安くなったようです)」と不評な純正ウィンドスクリーン。ですが、これは一緒に買っておきたいアクセサリーです。
コンデンサーマイクと言っても、リニアレコーダー(持ち運び可能な録音機材)のものなので内臓マイクの質には限界があります。時折、風切り音がひどくなったりするんですよね。使用方法によっては必要ない方もいると思いますが、あって困るものでもないのでセットで買うことをおすすめします。
Amazon:TASCAM ウィンドスクリーン DRシリーズ用 WS-11
ASMRの録音にも使えるマイク
ASMRの動画で1,000万回再生されているはとむぎ(hatomugi ASMR)さんの動画でも、TASCAMのDR-40が使われています。
この動画は駆動音から発生するホワイトノイズを編集で消していますが、だいたいこんな感じの音が録れるとご参考までに聞いてみてください。
ASMRを録音するだけならDR-07がいい
Amazon:TASCAM リニアPCMレコーダー DR-07MK2-JJ
はとむぎさんが使用しているのはDR-40ですが、DR-40とDR-07は機能が増えるかどうかだけで、基本的にそのスペックに違いはありません。ASMR的な使い方をするなら、今後の拡張性を考えても圧倒的に07(もしくは、07X)です。
筆者のように、ライブ音源、野外の環境音、虫や鳥のさえずりなどを録音したいと考えているならDR-40のほうがいいのかなと思います。
もしスマホでASMRを録るならDR-07Xがいい
Amazonに「こちらはOTGケーブルに繋いでスマートフォンに繋いで録音することは可能ですか?」という質問がありましたが、正式にサポートしているのはDR-07Xシリーズです。
Amazon:TASCAM リニアPCMレコーダー DR-07X
こちらは2019年2月に発売されたDRシリーズの最新モデルとなっています。
1、DR-07XとTypeBのUSBケーブルを繋ぐ。
2、そのUSBケーブルとLightning – USB3カメラアダプタ(or Lightning – USBカメラアダプタ )を繋ぐ。
3、Lightningケーブルからiphoneへと繋ぐ。
4、ボイスメモなどのアプリを使用して録音する。
で簡単にスマホでも録音することができます。
また、同製品はオーディインターフェース内蔵で、直接PCに接続できるようになっており、とても使い勝手のよいレコーダーとなっています。
TASCAM DR-40まとめ
DR-40レコーダーとしての機能、品質ともに現時点では高級なものだと思います。
ライバル商品としては、ZOOM ズーム リニアPCM/ICハンディレコーダー H5があげられますが、好みの問題と言っていいでしょう。
ただ、使い道や、今後どう音響機材を発展させていくかによって、DR-05、07、40どれを買うのか初心者の方は迷ってしまうのかが弱点ではあります。(逆に言えば、詳しい人にとってこれだけ選択肢があるのは嬉しいと思います)
この記事にたどり着いた方は、おそらくASMRに興味がある方だと思うので、今後はいくつかの録音方法をご紹介できればなと思います。
それでは、最後までお読みただきありがとうございました。
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