ノイズキャンセリングで有名な音響機器メーカーのボーズから、最新のワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン「Noise Cancelling Headphones 700(以下、NCH700)」が、欧米に続いてとうとう日本でも9月12日に発売されます。
筆者自身、このヘッドホンには注目していたので様々な海外サイトや先行で手に入れた方のレビューを見ていました。そこでこの記事では、NCH700を海外の評価サイトや実機レビュー動画を翻訳し、まとめていこうと思います。
先行モデルの「QC35 II」やライバル商品のSONY「WH-1000XM3」と比較を交えながらご紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。
Bose Noise Cancelling Headphones 700レビュー
NCH700
- メーカー : BOSE
- 接続 /充電時間: 有線or無線/20時間
- 重量 : 約252g
- 価格:45,900円
ノイズキャンセル機能と音質の総合で考えると最高の製品だと思います。ノイズに負けないようにボリュームアップしなくても、ディテイルまで聞こえてきます。電車の中や車の中など騒音がある場所で音楽を聞くなら、これだと思います。例えば、駅のホームに居ても、電車が来たことに気づきません。アナウンスの声は聞こえますが、騒音はカットされています。スイッチ入れた途端、駅のホームが静謐な場所になります。 出典:Amazon
先行モデルから大幅に変化したデザイン
色はブラックとトリプルブラックとラックスシルバーの2色。トリプルブラックは高級感のある色味をしており、ラックスシルバーは近未来的な色を感じさせます。

by:TechRadar
バンドの形は、旧名モデルの「QC35 II」と大きく変化。アームのレールが軸となり、イヤーカップを上下左右にぐねぐねとスライドさせて長さを調節する形です。
QC35Ⅱと比べると、プリーツ付きイヤーカップ、目に見えるヒンジ(蝶番のように折れる部分)、大型のハードウェアがなくなり全体的にすっきりとしたデザインとなりました。充電コネクターもイヤーパット下側へ向けて配置されており、見た目的にもコネクターの穴が見えないのは良いですね。

左:NCH700 右:QC35II by PHIREWEB
しかしヒンジをなくしたため、QC35 IIのように3Dフォールディングができず、専用ケースでなければ収納に苦労するかもしれません。
付け心地は?
しなやかなフレームと合成合成皮革のパッドでイヤーカップが耳を吸いつくように覆い、フィット感は今までにないものとなっています。先行モデル同様、ヘッドバンドの内側にはクッションがついており、長時間のリスニングセッションに適しています。

by:Laptop
イヤーカップは十分な大きさであるため耳の端をこすることもありませんし、耳の周りをぴったりと覆うことで物理的に遮音しノイズキャンセル効果を生み出しています。
タッチセンサーが搭載された新しい操作感
インターフェースは左右サイドに配置された3つのボタンと、右のイヤーカップのタッチセンサーです。
右側のイヤーカップの背面には、音声アシスタントボタンの上にある電源/ Bluetoothペアリングボタンがあり、左側には調整可能なノイズキャンセルボタンがあります。

by:Laptop
右耳カップの前半分にあるタッチパネルにより、メディアの再生、音量、通話機能を簡単に調整できます。タッチパネルは非常に敏感で、ストレスがたまることもありません。ダブルタップで一時停止、もう一度タッチでオーディオを再生、左右のスワイプでトラックが前後に移動します。また、上下にスワイプすることで、曲の音量を制御することができます。
ノイズキャンセリングの精度の高さ
ノイズキャンセレーションは、0〜10段階で調整可能です。
レベル10では、周辺のほぼすべてのノイズを消してくれます。音楽をかけずノイズキャンセリング機能だけを通勤で使用した際、電車の音や通勤中の乗客の声がかすかに聞こえました。が、ほとんどのノイズ音がひとつひとつ丁寧に取り除くように消されていて、読書に集中することができました。
また、今度は設定を0にすると、音楽を鳴らしながらマイクで外の環境音を拾う、「外音取り込み」になります。さらに左側のボタンを長押しすると、音楽再生をいったんストップして外音取り込みを行う「会話モード」になります。(ソニーの1000Xシリーズのヘッドホンで言うクイックアテンションモード)
連携アプリとなる「Bose Music」で0~11段階の「お気に入り」設定を決めて、ボタンから素速く呼び出せる機能もとても便利です。
オーディオ音質は「Bose」らしく
音質は典型的なボーズらしいチューニングです。低音がズンズンと響くことがなく、高音が丸みを帯びています。
NCH700とソニーの名器である1000XM3を比較しすると、NCH700は鮮明でバランスのとれた音がし、WH-1000XM3は全体的により生き生きとした重厚な音になります。
Do You Remember/Chance The Rapper
- NCH700は、より軽快に聞こえる。
- WH-1000XM3は、ドラム(低音)を引き立てるが、ファルセットが曖昧になる。
「Do You Remember/Chance The Rapper」は、NCH700のほうがより軽快に聞こえ、WH-1000XM3はドラムリズムを引き立てる豊かさを与えました。
しかし、WH-1000XM3は低音を引き立てすぎるためにボーカルのファルセットをわずかに曖昧にしています。
The Scientist/Coldplay
- NCH700は、バランスよく綺麗に聞こえる。
- WH-1000XM3は、ボーカルがメインで聞こえる。
Coldplayの「The Scientist」の曲の途中でドラムとベースギターが入ってくるところ(1:39~)では、Boseはバランスよく綺麗に聞こえました。一方WH-1000XM3で同じ場所を聞くと、ボーカルがメインとして聞こえてきました。
通話品質で圧倒的なパフォーマンスを見せる
NCH700は、8つのマイクが搭載しています。そのうちの2つが他のマイクとペアになって連携し、「自分の声をキャプチャ」+「周囲の音をキャンセル」することで声だけ分離させます。(QC35IIにも同じような機能はあるが、さらに進化している)
この機能で、旅行やカフェのような騒々しい場所から通話をしたとしても、相手方には自分の声だけが鮮明に聞こえてきます。道路工事の隣に立っていても、相手方には工事の音はほとんど聞こえず、こちら側も叫ぶ必要がありません。
これは、WH-1000XM3にはない機能でした。主にビジネスユーザー(ボーズのターゲット顧客)に喜ばれるのではないでしょうか。
通話品質という点で、NCH700はWH-1000XM3と大きな差をつけています。
BOSE VS SONY どっちがいい?
NCH700は先行モデルのQC35 IIに比べてほぼすべての点で進化していました。
ノイズキャンセリングはクラス最高レベルであり、騒音の多いフライトや忙しい通勤での使用に最適です。音質も非常に優れており、音楽を聴いていて楽しくなります。ですが、音質はWH-1000XM3も引けをとらないクオリティとなっています。クリアな音質とバランスのとれた安定感、上質な高音域をとるならNCH700。迫力のある重低音が好きな方なら、好みの音にEQ設定もできる1000XM3に軍配があがります。
バッテリー寿命はSonyの1000XM3の方が10時間長くなっており、BoseはNCH700、QC35 IIともに20時間となっていますが、出かける前に充電を意識していればそこまで差はないと思います。
値段差は一万数千円ほどあります。この差はどちらを選ぶべきか非常に悩ませるポイントとなっています――ですが、類を見ない洗練されたシームレスなデザイン、装着の心地よさ、ノイズキャンセリング精度、通話品質の面でその差に見合う価値がNCH700にはあると思います。高級志向のビジネスパーソン向けのヘッドホンではないでしょうか。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。また機会があれば、両者や先行モデルのスペック比較をしようと思います。
参考、引用させていただいたレビューサイト
techradar Unbox Therapy(youtube)
以上のサイトから一部参照、引用させていただきました。
※海外サイトに飛ぶため、閲覧の際はお気を付けください。
コメント