絶対に読むべきおすすめの芥川賞作品6選!|初心者向けの純文学

コンビニ人間 純文学

「純文学って読みにくい」

ある日、筆者は友人にこんなことを言われました。

確かにあまり本を読まない人や大衆小説を読んでいる方にとっては、純文学は変に読みにくいし、そもそも面白くないのかもしれません。読書好きの自分でさえ、ときに読むのが苦痛になる小説もあります。

しかし、筆者は言いたいのです!純文学もそれなりに面白いと!

大衆小説にもミステリー、時代物、ラノベがあるように、実は純文学にもいろいろなジャンルがあってしかも結構面白いものもあります。

今回は、そのなかでも読書好きの筆者が芥川賞に注目して、古めかしくない』『初心者でもスラスラと読みやすい』『単純に面白いというのを条件に個人的おすすめTOP6をご紹介していきたいと思います。
芥川賞とは?中編・短編の純文学小説におくられる日本で最も権威ある賞です。基本的にはストーリー性よりも、芸術性、文学性を評価した小説に送られます。
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絶対に読むべきおすすめの芥川賞作品6選

又吉直樹 『火花』

第153回芥川賞受賞作

お笑いの世界の周辺で生きる女性たちや、芸人の世界の厳しさも描きながら、驚くべきストーリー展開を見せる。

amazon参照

太宰治を愛してやまない芸人、又吉直樹さんが書いた作品。

こちらは2015年に発刊・受賞し150万部を売上げました。

映画化やドラマ化もし、おそらく今の日本で一番読まれている純文学作品だと思います。

やはり本職が“芸人さん”ということのなのでしょうか、「読者のことが考えられており、とても読みやすい作品」です。

純文学というと、芸術性を追い求めかんじんの読者は置いてけぼり、高等民族の読み物なんて揶揄されますが、この本のすごいところは芸術性を保ちつつ誰にでも理解できるようにしたところではないでしょうか。

それはとても難しく、太宰治が好きで芸人である又吉さんだからこそできたのだと思います。

売れない芸人がどのような葛藤をもち、どう成長していくのか、是非読んでみてください。

羽田圭介『スクラップアンドビルド』

第153回芥川賞受賞作

閉塞感の中に可笑しみ漂う、新しい家族小説の誕生!

amazon参照

又吉さんの『火花』と同時受賞した作品。

羽田さんは「芸人が芥川賞を受賞した」というブームに乗っかりTVに引っ張りだこ、さらにこの小説も20万部を売り上げています。

そういう人って小説はあんまり・・・と思われるかもしれませんが、実はこの人すごい人なんです。

なんとデビューは高校生。『黒冷水』という小説(内容は簡単に言うと兄妹喧嘩)で当時最年少で文藝賞を受賞した方なんですよ。

『スクラップアンドビルド』は老人介護をする若者の話です。最初だけつまづきます。ですが、そこを超えればどんどんと読みやすくなり、最後は深く考えさせられるような構成です。

Amazonの評価はなぜ低いんですかね・・・。読みやすくて本当におすすめの作品です。

村田沙耶香『コンビニ人間』

第155回芥川賞受賞作

「いらっしゃいませー!」お客様がたてる音に負けじと、私は叫ぶ。古倉恵子、コンビニバイト歴18年。彼氏なしの36歳。日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる。

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2017年の本屋大賞にもノミネート(9位)された大ベストセラー純文学作品。

純文学(一般的に面白くないとされる)小説が本屋大賞(面白い小説に送られる賞)にノミネートされるという快挙を成し遂げた作品です。

その証拠になんと90万部以上も売れてます。

この小説の魅力はなんといっても「読みやすさ」「身近さ」だと思います。ストーリー性は純文学ということで大きな起伏はありませんが、文は平坦ですらすらと読めます。そして村田さんはリアルコンビニ店員ということもあり、描写がすごくリアルです。

『コンビニ人間』はコンビニで働くときだけ、自分が世界の一部だと認識することができる変わり者が主人公の物語です。

白羽さんというこれまた捻くれた男性の登場人物がでてきて物語をさらに面白くさせます。

ユーモアもところどころにあり、笑って考えさせられるおすすめ小説です!

長嶋有『猛スピードで母は』

第126回芥川賞受賞作

「私、結婚するかもしれないから」「すごいね」。小六の慎は結婚をほのめかす母を冷静に見つめ、恋人らしき男とも適度にうまくやっていく。現実に立ち向う母を子供の皮膚感覚で描いた芥川賞受賞作と、大胆でかっこいい父の愛人・洋子さんとの共同生活を爽やかに綴った文学界新人賞受賞作「サイドカーに犬」を収録。

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一冊に 文学界新人賞受賞作 と芥川賞受賞作が収録された作品。

こちらは2編とも子供が主人公となっています。

そのためか、子供目線で起きた出来事や思ったことが語られるため文体はとても読みやすいです。ですが、出来事に対して考えるという行為は読者に要求されるため、何も考えずに読むと軽い作品に思えてしまいます。純文学作品らしいと言えばらしい作品ですね。

長嶋有さんの作品はどこか女性的で、独特な世界観をもっており繊細さを感じるものが多いです。ちょっと疲れた時にピッタリだと思います。

映画化もされているみたいなのでそちらから入ってみるのも面白いかもしれませんね!

新人賞と芥川賞が同時収録された小説も珍しいのでぜひ手元に置いておきたい小説です。

中村文則『土の中の子供』

第133回芥川賞受賞

人間の業と希望を正面から追求し、賞賛を集めた新世代の芥川賞受賞作。

amazon参照

『教団X』や『何もかも憂鬱な夜に』などを書いた著書の衝撃的作品。

中村文則さんは今の純文学界隈ではもっとも価値のある作家さんではないでしょうか。

とにかく描写力が圧倒的です。まるで映画を見ているような気にさせます。

『土のなかの子供』は過去に虐待をされたというトラウマをもつ主人公の物語です。あらすじを見て分かるのですが、終始暗いです。ですがその暗さのなかにどんどんと景色が入ってくるような書き方なので読み進めると止まらなくなってしまいます。

「このあと主人公はいったいどうなってしまうんだろう・・・」と思わせてしまうような展開でいつの間にか読み終わってしまう作品です。

ただ人によっては怖いと感じる場面もあり、読み進めることを躊躇してしまう人もいるかもしれません。(それでも読んでしまうくらい表現力がすごいです!)

中村さんはベストセラーをいくつも出していますが、自分は『土の中の子供』と『教団X』は絶対に読んでおくべき小説だと思います。

若竹千佐子『 おらおらでひとりいぐも 』

第158回芥川賞受賞

おらの今は、こわいものなし。

河出書房新社参照

まるで田舎のおばあちゃんが書いたような温かさを感じる作品。

2018年に芥川賞を受賞し、このなかでは一番最近の作品となります。同作品で若竹さんは当時65歳で文藝賞を最年長受賞されています。

amazonのレビュー欄を見るとても評価が高いことが分かりますね。地文は岩手弁で書かれており、最初は読みにくいかなと思うのですが、慣れればそれも味にになってきます。

この小説が面白いのは、若い読者がおばあちゃんの物語を楽しむのではなく、登場するおばあちゃんと未来の自分がもしかしたら重なってしまうかもしれないと若い読者に錯覚させてしまうことにあります。

内容的にこのような説明しかできません(すみません苦笑)が、すごく面白いです!

特殊な小説の書き方で手法など論じることは野暮です。

とにかく読んでみてほしい。そしたら、この面白さが絶対に分かると自信をもって公言できる
本当におすすめの作品です!

まとめ

どうでしょうか。芥川賞作品に興味を持っていただけましたか?

「芥川賞」と検索欄に入力すると、その後に「つまらない」と予測が でるのは本当に悲しいことです。

残念ながら、確かに芥川賞作品は読みにくつまらないものが存在するのは確かです。

ですがここに挙げた一覧はどれも読みやすいものばかりです。

何を面白いと感じるかは個々人でも違うと思うので、ぜひamazonのレビューを読んでみて自分にあっているかどうか確かめてみるのもいいかもしれません。

そして読んでみたあなたが『純文学ファン』『小説ファン』になっていただけることを心から願っております!

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